TOP » 煎茶と玉露
煎茶と玉露
日本で広く飲まれている煎茶の中でも、最高級のものは玉露です。
煎茶とは、一般的に飲まれている緑茶のことです。
日本にお茶が渡ってきたのは平安時代だと言われていますが、栄西によって広められたのは鎌倉時代です。
その時のお茶は今で言う抹茶でした。
千利休によって大成された茶道は、今でも美しい日本文化の一端として受け継がれています。
庶民の間でもお茶は飲まれるようになります。
しかし一般的に飲まれていたのは今の番茶をほうじたものでした。
日本のお茶といえば煎茶を思い浮かべますし、時代劇でもお茶といえば煎茶が出てきますが、長い茶文化の中では意外と時代が新しいのです。
1738年に山城(現在の京都府)の永谷宗円が創案したといわれています。
お茶の若芽を摘んだらまず蒸してから揉み、乾燥させます。
世界的には、お茶を蒸して発酵をとめた不発酵茶は珍しいものです。
発酵させないことによって、緑茶のもつ翡翠のような色や青々とした清しい香りが生まれます。
煎茶の中でも立春から数えて八十八夜前後に摘まれたお茶は、新茶として珍重されます。
淹れる時は70度ほどの湯温で1分から2分ほど蒸らすと、旨味や香りがバランスよく抽出されます。
さて、日本人が愛してやまない煎茶ですが、中にもいろいろと等級があります。
その中でも最高級とされるのが玉露です。
玉露は、栽培方法から煎茶とは異なります。
まず茶木にはたっぷりと肥料をやって育てます。
茶摘みの時期から20日ほど前になったら、畑の中に棚を組んで茶畑ごとよしずで覆います。
よしずで覆った茶畑は薄暗くなります。
さらに10日ほどしたらよしずの上からワラをかぶせて日光を遮断します。
これで茶畑はかなり暗くなります。
この工程を「簀下十日、藁下十日」といいます。
こうすることで茶葉は薄く柔らかくなりますが、若芽の緑色は濃くなります。
すると渋みや苦み成分であるタンニンが減少し、代わりに旨味成分であるテアニンが増えて玉露の独特の風味が生まれるのです。
そのため、日光をたっぷり浴びて育った煎茶と、いわゆるかぶせ茶の一種である玉露とを区別することもあります。
それほど玉露は特別なお茶なのです。
最高級品は昔ながらの手摘みで丁寧に摘まれます。
栽培される茶葉の1パーセントにも満たない、まさに芸術品とも呼べるお茶ですね。
淹れ方にも特徴があります。
60度ほどのぬるいお湯で、3分ほど時間をかけてゆっくりと蒸らします。
そうすると玉露の持つ独特な甘みやこくが存分に引き出されます。
手間暇かけて育てられ、加工された最上級のお茶は、丁寧に淹れてじっくりと味わいたいものです。